歯を白くしたい方には、いくつかの選択肢があります。変色した原因に加えて、歯がどの様な状態にあり、ご自身の希望はどういうものかをトータルに考え、歯科医と話し合ってベストな方法を選びましょう。
というのも、歯の悩みも希望も、人それぞれに違うからです。
悩みのタネは歯の変色だけではないかもしれません。変色に加えて、前歯の形や大きさが揃っていないとか、すき間が気になるといった方も多いでしょう。歯茎の色が黒ずんでいるという悩みもあります。
また、健康な歯なのか、虫歯の治療をした歯があるのかによっても、治療の仕方は違ってきます。
さらに、前歯だけでなく、口を開けたときに見える下の歯の治療跡をきれいにしたいというケースもあります。
歯の色さえきれいになれば、理想通りの口元になると考えている方のほうが少ないに違いありません。それだけに、専門知識と高度な技術とをもった歯科医に相談して、どこをどう変えたいのか話し合う必要があるのです。
口元が気になって、人前で話をするのが苦手という方は、ただ「きれいになりたい」というのではなく、どういうふうになりたいのかを、具体的にイメージしてみるといいでしょう。
そのためには、鏡の前で笑顔をつくってみて、気になる点を確認しておくことも役立ちます。写真を撮って、眺めてみるのも、いい方法です。
コンプレックスが強いと、気づかないうちに笑うことを忘れているかもしれません。笑顔をつくろうとしても自然な表情が浮かべられない場合は、それだけ問題は深刻。悩みを解決して、魅力あふれる笑顔を取り戻していただきたいものです。
前歯六本がはっきりと見える笑顔を浮かべてみると、気になる点が浮かび上がってくるはずです。
一本だけ色が違っているとか、上の歯の先端ラインが揃っていないとか、歯の歯茎が見えすぎるうえに黒ずんでいるとか、感じたことをメモして、カウンセリングに持参するのも一つの手です。
また、口元だけでなく、顔全体、さらには全身とのバランスも考えてみましょう。
歯を白くする場合は、肌や髪の色との相性を考えることも大切です。顔の中で歯があまりに小さく見えて、幼い感じがすることもあります。
口元はその人のイメージを大きく決定付けるので、歯だけを見るのでなく、全体の中で考えるべきなのです。
さらに、笑顔だけでなく、話をするときに見える下の歯の奥歯などに気になるところがないかどうかもチェックして見ましょう。
誤解のないようにお願いしたいのですが、必ずしも口の中すべてを大々的に治療する必要はありません。今の状況をしっかりと把握しておけば、どこを優先してきれいにするかが自然と見えてくるということです。
周りの人から「何も問題ない」といわれるけれど、もっときれいに治したいという方もいらっしゃるでしょう。
そういう悩みは、どんなに「気にすることはない」といわれたところで消えるものではありません。
治療をすることで、自信がつけば、明るく前向きに過ごせるようになるでしょう。コンプレックスは心の健康と密接にかかわりあっているからです。
ホワイトニングに興味のある方は、芝大門歯科クリニックまでお気軽にご相談ください。詳細はこちらでどうぞ
クリーニングで表面の汚れを落としただけでは望みどおりの白さにならない場合や、もともとの歯の色より白くしたい場合は、ほかの方法を考えます。
なかでも第一候補になるのが、ブリーチング。歯を漂白する方法です。
ブリーチングは、変色した歯を白くする最初のステップと捉えてください。次に考慮する方法がラミネートベニア、その次がセラミッククラウンです。ここではブリーチングから1つずつ説明していきます。
ブリーチングが最初のステップとなる理由は、歯を削ることもなく、麻酔も必要ないので患者さんの負担が少なくて済み、歯周組織への影響もないからです。
さらに、ほかの方法よりも経済的である点も挙げられます。歯科医院で行うブリーチングでは、一般的に数年間は効果が続きます。
日本ではまだまだ「歯を白くするブリーチングなんて聞いたこともない」という人がいますが、アメリカではホワイトニングとも呼ばれ、美しい口元をつくるポピュラーな方法となっています。
とはいえ、今のように普及するようになったのは、1991年に「ハイライト」という製品が発表されてからのこと。以前は濃度の高い過酸化水素水を塗り、大きなランプで光熱をあてていましたが、時間も手間もかかるうえ、患者さんに相当な我慢をしいるため、あまり評判がよくなかったのです。
そこで、薬剤の改良が進められ、光熱を使わずに化学的に活性化し、効率よく、安全に漂白できる新しい製品が開発されました。以前と比べて10分の1から20分の1の時間で、高い効果が得られるのです。
この「ハイライト」は、1998年に歯の漂白剤として日本で初めて厚生省の認可を受けています。
どんなものかイメージがわかない方は、髪の脱色を考えてみるといいでしょう。かつては消毒用のオキシドールを髪につけて脱色する若者たちがいましたが、あのオキシドールとはごく薄い過酸化水素水。歯のブリーチングでも過酸化水素の働きを利用して、漂白を行うのです。
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歯科医院で行うブリーチングは、オフィス・ブリーチングと呼ばれます。一方、家庭で行うものはホーム・ブリーチングと言いますが、これについては後述します。
さて、オフィス・ブリーチングは一般的に加齢による黄ばみ、抗生物質の影響で軽度の変色がある場合などに向いています。
コーヒーやお茶などを長年にわたって飲み続けた人、長年のヘビースモーカーは、歯の内部にまで色素が沈着している場合があり、そうしたケースでも効果が期待できます。
さらに、強く打ったことが原因という外傷による変色にも、ブリーチングは向いています。1本だけとか、数本だけの治療が可能です。
治療の際には、あらかじめ問題がないかどうかをチェックします。虫歯があったり、冷たい水がしみるといった場合には、注意が必要です。歯がすり減っていたり、歯肉が下がって象牙質がむきだしになっていると、薬剤が歯の神経を刺激するおそれがあります。
では、実際の治療のプロセスを見ていきましょう。
はじめに、開口器で唇を広げ、漂白する歯をきれいに洗浄して、歯肉にプロテクターをつけておきます。これは唇や歯肉などに薬剤がつかないようにする防止策です。
そして、ペースト状に練った薬剤を一、二ミリの厚さで歯に塗ります。
このまま五、六分おいて青い薬剤が白くなったら水で洗い流します。二、三分後に光線をあてて、洗浄する方法もあります。いずれにしても薬剤は刺激が強いので、待っている間に指などで触ったりしないように気をつけてください。
この薬剤を塗って洗い流すまでを1サイクルとして、1日に三、四回繰り返します。それが終わったら表面を研磨して、どれくらい白くなったかを確認します。
ブリーチングの効果は一度でも現れますが、患者さんが希望する白さにするまでには何度かかかるのが普通です。効果は人それぞれ違いますが、必要に応じて週に一度、三回程度行うと考えておくといいでしょう。
ただし、抗生物質の副作用による変色で「まず、ブリーチングから試してみたい」というケースなどでは、効果がまったく見られないこともあります。軽度であれば漂白効果が期待できるのですが、重度では難しくなるためです。
そうした場合は、何度もブリーチングを繰り返すより、ラミネートベニアなどのほかの方法に切り替えた方が得策かもしれません。個々のケースによって異なるので、歯科医と相談して、その後の方針を決めることです。
ブリーチングのシステムは現在すでに確立されているので、実績ある歯科医の治療ならば、安全性に問題はありません。痛みを感じることもなく、治療は終了します。
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「漂白するだけで、そんなに歯が白くなるんだろうか」と思う方もいらっしゃるかもしれません。オフィス・ブリーチングは何回か通院するのが普通であるとはいえ、麻酔をかけたり、削ったりしないので、患者さん自身が「ここまでできるとは思わなかった」と感想を漏らすこともあります。
インテリア関係の仕事をしているOさんも、そうでした。歯の黄ばみを気にしていたところ、人づてに歯を白くする方法があると聞いて来院したのです。
初診時の彼女は三二歳。社会に出てからずっと忙しく働いていて、仕事の面ではある程度の自信がついてきたけれど、以前にも増して歯の色が悩みのタネになってきたというお話でした。
「お客様と話すことも多い仕事なので、朝、メイクのときに笑顔の練習をするようにしていたんです。でも、そのたびに歯の色が嫌で気分が暗くなってしまって、最近はあまりやらなくなりました。たまに口を開いてみると、何だか顔が老けて見えるような気もして・・・・・・」。
彼女は学生の頃からタバコを一日に一箱以上吸い、毎日コーヒーを何杯も飲み、赤ワインもよく飲んでいました。もともと歯の色が黄色味が強かったうえに、汚れがつく生活を続けていたことになります。
診察したところ、歯磨きは比較的きちんとしていて、前歯に虫歯などはありませんでした。ただし、歯科医院に来たのはしばらくぶりだということで、歯石やタバコ、コーヒーなどの汚れが少し目につきました。
そこではじめにクリーニングを行い、口の中をきれいにしました。歯の表面がツルツルになって、ご本人はかなり気分がすっきりしたと話していました。
とはいえ、ニコチンやタンニンの色素は歯の中にまで浸透していました。
そこで、前歯についてはブリーチングを一週間ごとに三回繰り返した結果、Oさんの望む白さにすることができました。
「せっかくこんなに白くなったんだから、思い切ってタバコをやめることにしました。きちんと定期検診にも通って、クリーニングを受けるようにします」と宣言していたOさん。
次の検診の際に、本当に禁煙したと報告してくれました。
毎朝、鏡に向って笑顔を浮かべる練習も復活したそうです。
「本当は三〇代になって、どんどん老けていきそうで怖いという焦りもあったんです。歯を白くしたら、自信がついて、そんな気持ちもなくなりました。自分自身でオバサン顔になったと思い込んでいたのかもしれません」。
内側からにじみ出る自信は、その人の印象に深く関わります。
ためらいがちなところが消えたOさんは、明るい笑顔で相手に信頼感を与えるような、一見して有能そうな女性になりました。
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ホワイトニングは、カレーなどの食事やコーヒー、紅茶などの飲料、あるいはタバコなどで変化した歯の色について薬を用いて歯を白くする方法のことです。
まず、表面についた汚れは、歯科医院で専門家が行うクリーニングですっきりと落ちます。コーヒーやお茶、タバコなどで着色している場合には、この方法でもともとの歯の色に戻すことができます。
タバコのヤニはまだしも、コーヒーやお茶のタンニンがさほど付着するとは思わない方が多いようです。愛用の湯飲み茶碗や急須をきちんと洗わなかったら、内側に茶渋がべったりとくっついて、なかなか取れなくなることを考えてみてください。歯にも同じように汚れがついてしまうのです。特に、歯ブラシが届きにくい部分や歯と歯茎の境目などは、汚れがたまりやすいので気をつけなければなりません。
歯科医院で行うクリーニングでは、水流洗浄機や専用の汚れ落しなどを使用して、歯の表面をツルツルに磨き上げます。歯の裏側や歯と歯の間、歯と歯茎の間などもきれいになります。
その際にはもちろん歯石も取るので、口の中がさっぱりとして、清潔な状態に戻ります。さらに、正しいブラッシング法の指導を受けて、磨き残しがない手入れを覚えることも大切です。
それでも色素のつきやすい人もいます。歯周病や虫歯の予防のためにも、半年に一度は定期健診とクリーニングを受けるようにしましょう。きれいで健康な歯を保つには、最も効果的な方法です。
クリーニングで以前の白い歯に戻り、それ以上の治療が必要なくなるケースもあります。一時間程度で済みますから、口の中全体のチェックを兼ねて、まずは歯科医院に足を運んで見てはいかがでしょうか。
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